インフォメーションデザインとは、「物事をわかりやすく伝える」ことに主眼を置いたデザインのこと。1990年代ごろから急速に発展してきた、まだまだ新しいデザイン分野です。インフォメーションデザインのなかでもわかりやすいのが、ピクトグラム。人物や場所の特徴をシンプルな記号で表現したもので、私たちの身近でいうとトイレや非常口のサインに使われている、あのイラストと記号が合わさったようなマークのことです。インフォメーションデザインによるコミュニケーションの速さとわかりやすさは、言葉以上と言っても過言ではありません。たとえば風邪薬のパッケージに、妊婦さんのピクトグラムの上に大きく赤い×がついていると、「これは妊娠している人は飲んではいけない」という情報が、外国人旅行者などの日本語が読めない人にでも、直感的にわかります。どれだけ文字や言葉で説明してあっても、その言語を知らない人には伝わらない。この言葉の壁を超える力が、ピクトグラムをはじめとしたインフォメーションデザインにはあります。