人々の働き方が多様化し、さまざまな価値観が生まれてきている現代。それでも多くの人々にとって労働が生活の糧であることは変わりません。たくさんの労働者が企業と雇用関係を結び、それぞれの職場で人生の大半を過ごしています。そのため「雇用に関する制度や仕組み」は、多くの人々に影響する重要な社会基盤のひとつといえます。そんな雇用制度に関して、さまざまな観点から学術的な研究をしているのが、大同大学情報学部総合情報学科の藤井浩明先生です。
「雇用などを規定する経済的な合理性や仕組みができた歴史的な経緯について、明確になっていない点は数多くあります。そこで雇用労働に関する制度や慣習を分析することで、雇用の仕組みやあり方などを考えるヒントを導き出せればと考えています」
藤井先生は、雇用制度の成り立ちや変遷などについてさまざまな文献から情報を収集して整理。さらに、各企業がどのように労働者の賃金を決定し、昇進などの人事制度をどのように進めていっているのかなど、「雇用管理」や「労使関係(雇われる労働者と雇う経営者・使用者の関係性)」について、実証的な分析・考察をしています。