東海エリアのものづくりで代表的なのは自動車産業、そして他エリアと比べて特徴的なのは航空宇宙産業が盛んなことです。愛知県の航空機部品生産額は全国の約3割を占め、日本の航空宇宙産業の一大拠点となっており、国際戦略総合特区の1つである「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」に、岐阜県、三重県、長野県、静岡県とともに指定されています。そのロケットのエンジンや航空機の胴体に使われているのが、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)などの難削材と呼ばれる材料です。難削材、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、その名の通り「削りにくくて加工しにくい」素材のことを指します。身近なところでは、キッチンのシンクなどに使われるステンレスも難削材のひとつ。難削材は、耐久性に優れ、過酷な状況下にも耐えうる画期的な材料ですが、一方で、加工の難しさが製造の現場を悩ませており、難削材の開発・使用には、新たな加工法や切削工具の開発・進化が必要不可欠となっています。つまり日本のものづくり産業の発展のために、切削加工の研究はなくてはならない研究と言えるのです。