近年のロボット技術の進歩はめざましく、オートメーション化した製造工場など、私たちの暮らしのさまざまなところで自動化・ロボット化は進んでいます。しかし、進化が進んでいるとはいえ、ロボットが人間の意図を汲み取り、思い通りに勝手に動いてくれるわけではありません。人間が思い描く目的にあわせて挙動するよう、機械やロボットはシステムや機構が設計されています。どんなに高性能なロボットであっても、思い通りに動いてもらうためには適切な「システム設計」が欠かせないのです。
「たとえば人間が無意識にしているような行動でも、紐解いていくと実は複雑なプロセスの上に成り立っています。ロボットに同じことをさせるには、その複雑なプロセスをモデル化してあげなければいけません。このとき、いかにシンプルで高精度なモデルを設計できるかが、ロボット開発の大きなポインになります。それが『システム設計』です」
そう語るのは、制御理論やシステム設計を専門にしている大同大学工学部機械システム工学科の尾形和哉先生。尾形研究室では、機械やロボットの運動性能を向上させるための考察を進めながら、機械制御の方法やシステムを検討し、実際にさまざまなロボットを製作しながら、実験研究に取り組んでいます。