大同大学建築学部(仮称)※建築学科建築専攻、インテリアデザイン専攻で教鞭をとる傍ら、建築士や空間デザイナーとしての活動も積極的に行っている船橋仁奈先生。業界の第一線で活躍を続ける船橋先生は、建築設計や空間デザインにおける実践的な学びはもちろんのこと、設計思想や建築士としての姿勢など、設計やデザインへの心構えについても自分の実体験を踏まえたリアルな情報を学生たちに提供しています。
「建築設計にも空間デザインにも、長年人々が積み上げてきたセオリーのようなものがあります。それらを学ぶことはもちろん大切ですが、その枠組みにしばられすぎてしまうと、新しい発想が生まれづらくなります。そこで学生たちには、自分たちの感性を大切にし、自身の問題として建築やインテリアに向き合うことが重要であると伝えています。一方、実務における建築士や空間デザイナーには、仕事を依頼して下さる発注者がいるため、彼らの要望に応え、新たな価値を生み出し、信頼を得ることが求められます。結果として、デザイナーとしての感性や創造力、そしてそれらを言語化し、他者とアイデアを共有するための論理的思考も同時に必要になると言えます。感性と理論の両立を目指し、ひとりよがりではなく、他者の共感を得ることのできる設計・デザインを探求していく姿勢が、何より大切なのです。」
自己の感覚と他者の感覚を理解し、「共有できる感覚」を身につけることは、建築やデザインだけでなく、あらゆるものごとの基本であり魅力である、と船橋先生は言います。