2020.05.25 先生の活躍/建築学科 インテリアデザイン専攻/建築学科 建築専攻
日本コンクリート工学会賞 奨励賞を受賞しました!/高橋之准教授
本学建築学科建築専攻・インテリアデザイン専攻の高橋准教授が、日本コンクリート工学会賞 奨励賞を受賞しました。
2020年日本コンクリート工学会賞(論文賞,技術賞,作品賞および奨励賞)は、表彰規定に従い、日本コンクリート工学会賞選考委員会における慎重な審議を経て、14点に日本コンクリート工学会賞(論文賞1点,技術賞4点,作品賞5点,奨励賞4点)を贈ることが決定されました。
高橋准教授が受賞した研究題目は"Seismic Damage of a Building Caused by Post-installed Anchors Intended to Increase Shear Strength of Structural Wall"です。
この論文は2011年の東北地方太平洋沖地震によって被害を受けた9階建ての鉄骨鉄筋コンクリート構造建物の被害原因を明らかにしています。対象の建物は1978年の宮城県沖地震を経験しており、その後耐震補強工事が行われ、2011年に再び地震を経験しています。この建物には地震計が設置されてあり、その記録から、1978年の地震と2011年の地震に大差はない。つまり、耐震補強を行ったことによって被害が大きくなってしまう結果となっており、このような例は他に類を見ません。本論文では構造実験によって、実建物を模擬した試験体が同様の破壊をすることを示しており、あと施工アンカー引き抜けの危険性が確認されています。加えて、荷重増分解析を行った結果、補強後の建物の方が耐震性能が低いことを確認しています。
日本では耐震補強が広く普及していますが、本論文の内容が周知されれば、耐震補強工事における留意点も普及することになり、本論文で対象とした建物のような被害を防止することが期待されます。
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