2018.03.05 先生の活躍
日本放射化学会の英文学術雑誌に論文を掲載しました/酒井陽一教授(教養部 化学教室)
ケヤキ埋もれ木の発掘現場、写真の提供:秋田県立大学、栗本康司教授
教養部化学教室の酒井教授が、秋田県立大学木材高等研究所の研究者との共同研究の成果として、日本放射化学会の英文学術雑誌に論文を掲載しました。
論文のタイトル、著者、掲載誌、研究内容などは以下のとおりです。
“Mössbauer Characterization of Iron in Ancient Buried Trees Excavated from the Foothills of Mt. Chokai”
Shigeru Yamauchi, Yasuji Kurimoto, Yoichi Sakai
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, Vol. 17, pp. 23-29 (2017)
2500年前(縄文時代)鳥海山の噴火で山体崩壊(山崩れ)が起こり、スギ、ケヤキなどの巨木が倒され、埋もれ木となりました。最近の高速道路工事で出土したのですが、埋もれ木のなかには古代の森林環境などを解き明かす情報源がたくさんつまっています。この研究は、その情報を求めて、埋もれ木中の鉄の化学状態をメスバウアー分光法で明らかにしようとするものです。酒井教授は、共同研究の中でも重要なパートであるメスバウアースペクトルの測定を、大同大学化学教室の装置を使って担当しました。共同研究者の秋田県立大学の山内繁教授は、酒井教授が前任校の助手をしていたときの大学院生で、以来30年を超える友人とのことであります。