2022.10.04 先生の活躍 大学院 学生の活躍 機械工学科
レーザ加工学会誌に論文掲載されました/2020年度卒業生 星野勇次さん、2021年度卒業生 川村優稀さん
工学部 機械工学科 田中研究室では公益財団法人 日比科学技術財団の研究開発助成を受け、2020年度よりテーマ「レーザ加工を利用した軟磁性鋼板の部分非磁性化に関する研究」を実施してきました。2020年度 工学部 機械工学科 田中研究室 卒業生 星野勇次さんの卒業研究を受け継ぎ、2021年度卒業生 川村優稀さんが実験を行い、同学部 同学科 田中浩司教授がまとめた学術論文がレーザ加工学会誌に掲載されました。
本研究では電磁鋼板を対象として、レーザ加工を駆使して幅1mm以下の狭い部分だけを非磁性、つまり磁束が流れない性質に変えることを試みました。非磁性材料として銅または銅-ケイ素合金を選び、レーザ切断した電磁鋼板のすき間に、以下の写真のように溶融させて浸入させました。また従来の近赤外線レーザよりも、青色レーザの方が、電磁鋼板の溶け込みが少なくなることを示しました(鉄は強磁性体なので非磁性の銅に入り込むと良くない)。
改質した電磁鋼板は未処理のものに比べ、流れる磁束密度が64%減となりました。これは空気なみの低い透磁率に相当します。レーザでは正確な位置の自由に加工ができるので、電磁鋼板からの漏れ磁束をピンポイントで防ぐことができ、永久磁石を搭載するモータの効率化に役立つと期待されています。
また、これは日比科学技術財団のR2年度 研究報告書にも掲載されています。
http://www.hibizaidan.jp/asset/pdf/report/report_r02_tanaka.pdf