2022.10.13 先生の活躍 総合情報学科 経営情報コース
日本地下水学会シンポジウム「トンネルと地下水」で講演しました/大東憲二教授
9月17日(土)に公益社団法人 日本地下水学会が主催する日本地下水学会シンポジウム「トンネルと地下水」が開催され、情報学部 総合情報学科 経営情報コース 大東憲二教授が講演しました。
大東教授は、「北陸新幹線深山トンネル掘削における地下水対策」というタイトルで講演され、ラムサール条約登録湿地である中池見湿地の近傍に掘削された深山トンネルについて、環境影響評価の事後調査委員会とその後のフォローアップ委員会に報告された内容を紹介されました。そして、トンネル掘削における環境配慮の重要性を説明されました。
トンネルは山岳地域や都市域で掘削され、時に地盤沈下や崩落などを引き起こし、大きな事故につながる例も少なくありません。また近年では、ルートの約9割がトンネルでかつ国内最大級の土被りを持つリニア中央新幹線の建設が進んでおり、様々な方面から注目されています。 トンネル掘削ではしばしば事前に予測し得なかった突発湧水や湧水による水質擾乱など地下水に関わる問題が発生し、工期の遅延や追加コストが必要となることもあります。したがって、トンネル掘削においては事前の地質・地下水状況の把握とこれに基づく適切な施工管理が求められます。 トンネル掘削における地下水に関連する具体的な課題としては、掘削が地下水にどのような影響を及ぼすのか、また、それは予測可能で、どのような対策が有効かについて影響範囲や要因などの観点から事前に検討することが必要です。 これまで多くのトンネル掘削が行われた結果、掘削に関わる地下水抑制技術は進展してきており、より適切な施工方法や施工上の留意点など多くのノウハウが蓄積されてきました。
このシンポジウムでは、これまでの知見に基づき、トンネル掘削に関連した地下水問題への対応に焦点を当て、この問題に技術的にどこまで応えられるのか、さらには想定外事象への対応事例などに関連する話題提供がなされ、トンネル掘削における適切な地下水管理の在り方などについて参加者の皆様と議論されました。なお、このシンポジウムは、オンラインで開催されました。